そこにネットがあるから

ECアナリスト/ネット通販コンシェルジュ遠藤奈美子のブログ

今、ネット通販業界で何が起きているのか

2013年末のセブン&アイ・ホールディングスのNissen買収から始まり、今年に入ってからもMixiによるMuse&Co.の買収やKDDIによるLUXAの子会社化など、大手ネット通販企業の買収ニュースが続いています。また、楽天など大手モールの売り上げ上位常連ショップでも破たんする企業が出るなど、ネット通販業界に大きな変革が起きています。さらに、取扱量の増加によりネット通販のライフラインとも言える配送業者の疲弊も大きく、サービスの見直しが各社で行われています。

 

ネット通販業界に今何が起きているのでしょうか。

 

楽天が創業した1997年を日本のネット通販元年と考えると、日本で本格的にネット通販が始まって20年近くが経とうとしています。ネットショッピングは私たちの生活に浸透して、なくてはならないショッピングのツールになったものの、その地位を確立するために走ってきた20年のしわ寄せが来て、今、大きな変革に迫られているのではないでしょうか。

 

価格競争に陥ってしまったネット通販業界

「ネット通販は安い」というイメージでこれまでずっと走ってきてしまったため、業界内での価格競争が激化し、安いものしか売れないという悪循環が起こって、薄利多売で大手のショップでも倒産するという結果に陥ってしまっています。本当にいい商品を取り扱っていれば、価格が高くても売れているショップはあります。今一度、取扱商品の見直しをして、他社との差別化と価格競争からの脱却を図る必要があるのではないでしょうか。

 

私自身、正直、最近ネットショッピングが面白くなくなったと感じることがあります。ネットショッピングは、その地方に行かないと買えなかった物が買えたり、今まで出会えなかった商品に出会えたり、もっとわくわくするものであったはず。それなのに、今ネット上で売られている物は定番化して、新しいものが少なくなりました。

 

送料無料が当たり前だという意識が定着

競争が激化する中で、消費者に選ばれるためにはネット通販のハードルでもある送料を無料にせざるを得なかったかもしれません。しかしながら、消費者の間でそれが当たり前として定着してしまい、配送業者の疲弊にもつながりました。本当に欲しい物がネットでしか買えないのであれば、送料を1000円払ってでも買いたいと思うはずです。

 

大きな変革期にあるネット通販業界、これから企業側は商品力のある商品を取り扱っていかなければいけないし、消費者側は送料はかかって当たり前だとう認識を持ち、安さだけを追い求めないようにしていく必要があるのではないでしょうか。

 

 

jp.techcrunch.com

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