Amazon参入で急加速する定額動画配信サービス革命
今、国内の定額動画配信サービスに大きな革命が起きようとしています。
Amazonがプライム会員向けの動画配信サービス「Amazonプライムビデオ」を9月からスタートすると発表しました。これは、Amazonプライム会員なら追加費用なしでパソコンやスマホからストリーミング再生で動画が見放題になるという思い切ったサービスです。
これまでは、当日お急ぎ便が無料で使えるなどのメリットがあったものの、3900円の年会費って本当にお得なの?と疑問に感じられる方も多かったのではないかと思いますが、動画見放題となると一気にお得感が増しますね。これをきっかけにプライム会員になる人も増えるのではないでしょうか。
Amazon以外にも、定額制の動画配信サービスが続々と登場、日本進出してきています。最も注目されているのが、アメリカ発で世界最大手と言われるNetflix(ネットフリックス)が9月2日に日本でのサービス開始を予定していること。ソフトバンクとの提携も発表されていて、携帯電話の料金と一緒に支払えるとなると利用者の利便性は高そうです。
その他の主な定額制動画配信サービスは以下の通り。利用料を月額換算するとAmazonが圧倒的に安いですね。Netflixの月額650円~という料金設定も格安だと話題になりましたが、その上をいくAmazonは、無料放送が定着している日本で動画配信サービスが生き延びる術を心得ているように思います。
■Amazonプライムビデオ(月額325円)
■Netflix(月額650円~)
■Hulu(月額933円)
■TSUTAYA TV(月額933円~)
■dTV(月額500円)
料金のほか、ユーザーとしてどのサービスを選ぶかで重要になるのは、やはりコンテンツ。Amazonは日本での配信本数は非公開としていますが、日本やアメリカの映画、テレビ番組、アニメなど幅広い作品を扱う予定になっていて、今後は日本の制作会社とも連携して独自の動画を制作するそうです。
一方、Amazonの強敵となるNetflixは、世界50か国に6500万人の会員を持ち、その潤沢な資金でオリジナルのコンテンツを作ることで有名。日本ではすでにフジテレビとのオリジナルコンテンツ制作に合意していて、サービス開始と同時にテラスハウスの新作や、オリジナルドラマ等の配信が決定しています。
企業側がこれから本格化すると思われる定額動画配信サービス競争に勝ち、生き残るためには、話題の最新映画やドラマ、テレビ番組が見られるだけでなく、独自制作のコンテンツが面白いこと、さらにアニメに強いところ、海外ドラマに強いところなど、サービス独自の色を出して、それぞれ異なるファン層を取り込み、差別化していく必要があるのではないでしょうか。
今回のAmazonの参入で急加速する国内の定額動画配信サービス革命。今後も新たなサービスが出てくることも考えられますし、ますます盛り上がっていくでしょう。私たちの生活に、この定額動画配信サービスが普及、定着していくことが期待されます。